1 大やきいも
暖簾をくぐると、昭和の駄菓子屋のような雰囲気。店内にはテーブル席や小上がりもあり、親子連れからお年寄りまで集います。大きなおでん鍋に並ぶ黒いダシの静岡おでんや黄金色の大学いも、秋から春には昔ながらの大釜で焼く名物の焼きいも、夏にはかき氷とメニューも多彩。どれにしようか迷うのも楽しいひとときです。
1 大やきいも
暖簾をくぐると、昭和の駄菓子屋のような雰囲気。店内にはテーブル席や小上がりもあり、親子連れからお年寄りまで集います。大きなおでん鍋に並ぶ黒いダシの静岡おでんや黄金色の大学いも、秋から春には昔ながらの大釜で焼く名物の焼きいも、夏にはかき氷とメニューも多彩。どれにしようか迷うのも楽しいひとときです。
2 あさひ
静岡浅間神社近くの住宅街の一角に佇む、ご家族で経営されている居酒屋さんです。カウンター奥には広い座敷席があり、夕方早めから地元のお客さんで賑わっていました。評判の串焼きやサクサクのフライ、静岡おでんとは一味違う淡色のダシが染み込むおでんまで、どれも美味。全てのネタが大きめサイズなのも嬉しい!
3 IFNi ROASTING & CO.
こだわりの珈琲の販売を行い、全国各地の出張イベントでもひっぱりだこのイフニコーヒー。古い工場を改装したという焙煎・販売所には、焙煎したてが飲める喫茶コーナーも併設。「毎日飲むものだからこそ新鮮でおいしいものを」と店主の松葉正和さん。ローストの香りに導かれるように、多くのコーヒー好きが集います。
4 AN-AN
緑の蔦が茂る外観が目をひく、看板もない老舗ピザハウス。アンティークの家具や小物が並ぶ小さな店内は、お昼前なのにお客さんで一杯でした。オーダーしたのはトマト&チーズ。一番小さい6インチですが、熱々の窯焼きピザは溢れるほどの具材が乗ってボリューム満点。厚めのサクサクした生地は癖になるおいしさでした。
5 静岡シネ・ギャラリー
お城のような石造りの建物が印象的。向かいの宝泰寺の住職さんが「静岡文化の拠点に」と設立した文化ホール内に併設された、静岡市内唯一のミニシアターです。シアター内には自然光の入る居心地の良いロビーと2つのスクリーンがあり、時代や国内外を問わず良質な作品を多数上映。遠方からも映画ファンが訪れます。
6 静岡市美術館
駅から雨に濡れずに行けるという便利な立地の美術館。夜7時まで開館しているので、仕事や買い物帰りにも立ち寄れます。ゆったりとした館内は白を基調にしたモダンな空間で、幅広いジャンルの企画展を開催。エントランスホールや多目的室で定期的に行われるコンサートやトークイベント、上映会なども好評です。
7 大衆酒場 多可能
創業は大正12年、現在は四代目が味を受け継ぐ名物居酒屋。昭和の趣が溢れる重厚な店内、カウンターには季節の大皿料理が並び、新鮮なマグロのすきみ、サクサクの歯ごたえの由比産の桜エビ天など、約60種の酒の肴はどれもハズレなし。地元の名酒「萩錦」と合わせて、静岡に続く酒場文化と美味を心ゆくまで堪能できます。
8 ポプラ
階段を上がった2階にあるレトロな雰囲気の喫茶店。大きな窓に面した空間にはコーヒーの香りが満ちていて、大きなスピーカーからは心地よい音量のジャズが流れています。40年前から街の人に愛されてきた名物の卵サンドやフルーツサンドは、もうすぐ復活する予定だそう。美味しいコーヒーやケーキと共に、寛ぎの時が過ごせますよ。
9 三河屋
静岡名物おでん街のひとつ、青葉横丁の人気店。昭和23年に屋台からスタートしたそうで、優しい大将と女将が迎えてくれる店内は、調理場を囲むカウンターのみのアットホームな雰囲気。壁には手書きのメニューが並び、静岡おでんや串焼きなど「煮る・揚げる・焼く」が間近で体験できるのも楽しい。ぜひ予約して訪れましょう。
10 ソワレ
静岡県庁近く、懐かしい外観と「珈琲専門」の文字に惹かれて入った喫茶店です。店内は新聞や雑誌を読む地元のお客さんやビジネスマン、カウンター越しにマスターと話す常連さんらしき人など、なんとも落ち着く雰囲気。注文してから豆を挽き、ネルドリップで丁寧に淹れるコーヒーも美味。次回はモーニングに訪れてみたいですね。
11 BOTANiCAL
おしゃれなレンガの建物を入ると、カウンターにはお酒のボトルと旬の果物が並びます。ぜひ試してほしいのが名物マスターの松本亙さんが作る、季節のフルーツを使った絶品オリジナルカクテル。ハーブや紅茶を使った珍しいカクテルも人気だとか。上質だけど肩の力を抜いて楽しめる、絶妙なバランスが心地良い一軒です。
12 大村バー 本店
ノスタルジックなちょうちん型ネオンが灯る、大正5年の老舗大衆酒場です。池に鯉が泳ぐ活気あふれる店内では、地元市場から仕入れる新鮮な魚介の刺身、揚げたてのフライなど、庶民価格がうれしい酒の肴が豊富。一人飲みにぴったりのU字カウンター席から宴会OKの個室まであり、静岡の温かい雰囲気が楽しめますよ。
13 まるしまのおにぎり
「おにぎり」と書かれた白い暖簾が目印。ご夫婦が手作りする愛情たっぷりのおにぎりとおいなりさん、天ぷらを求めて、早朝6時半の開店から地元の人で賑わい、テイクアウトも大人気。おでんはテーブル席に備え付けられた鍋から好きなものを選ぶ伝統のスタイル。昭和38年の創業から変わらない、静岡っ子のソウルフードなのです。
14 清見そば本店
創業80年以上のお蕎麦屋さんですが、なぜかラーメンが人気のお店です。澄んださっぱり醤油系のスープに、細めの自家製麺を合わせたどこか懐かしい中華そばは、何度食べても飽きないシンプルなおいしさ。ほかにも定番の蕎麦やカレーライスなど、「安い・早い・旨い」の3拍子揃ったメニューが充実。昼夜問わず、幅広い層で賑わいます。
15 やまだいち 登呂もちの家
登呂遺跡や芹沢美術館を見学した後、ひと息つきたいときにぴったりの甘味・食事処です。水車がのんびりと回る古民家は、200年前の奥会津の農家を移築したものだそう。いただいたのは、江戸時代から静岡に伝わる名物・安倍川もち。つきたてのあたたかいお餅の風味を、香り豊かなきな粉とこし餡が引き立てる、素朴なおいしさでした。
16 登呂遺跡
教科書にも載っている、弥生時代後期の水田稲作文化を伝える遺跡。復元された住居や高床式倉庫、水田などが見学できます。併設の「登呂博物館」では、出土した土器や農耕具、祭祀用具などを常設展示し、当時の衣服を着て当時の米づくりなどが楽しく学べる「弥生体験展示室」も人気。弥生人の生活に思いを馳せてみましょう。
17 芹沢銈介美術館
登呂遺跡の風景に溶け込むような、石や水、木の自然素材で構成された白井晟一の建築が印象的。館内では、静岡市出身で民藝運動にも参加した染色作家・芹沢銈介の作品と収集品を多数展示しています。日本古来の型染と琉球の紅型に影響された繊細な色彩や文様は、いつ見ても新鮮な発見と感動に満ちています。
18 東海大学海洋科学博物館
地元で長く愛される通称「海のはくぶつかん」。レトロな雰囲気の館内には、サメやエイが泳ぐ水深10mの巨大水槽があり、日本一深い駿河湾に生きる深海生物、可愛いクマノミの仲間やクラゲなど約400種類の魚を飼育展示。海の生物や科学のふしぎを楽しく学べる工夫がされていて、思わず時間を忘れてしまいます。
19 三保松原
清々しい松並木が続く通称「神の道」の先にある、静岡の一大名所。晴れた日には三保海岸沿いの緑の松原、はるか先に美しい富士山が広がり、その絶景は歌川広重の浮世絵のほか数々の絵画・和歌にも描かれてきました。一角には有名な「天女伝説」で知られる羽衣の松があり、毎年10月には三保羽衣薪能が開催されています。
20 静岡市立日本平動物園
富士山の景勝地・日本平の麓で、約160種を飼育する動物園です。人気者のホッキョクグマをはじめとする猛獣たちをさまざまな角度から観察できる「猛獣館299」や、鳥類が集まる国内最大級のフライングケージ、レッサーパンダ館、小動物と触れ合える動物園など、動物たちの生態を間近に感じる迫力ある展示が魅力です。
静岡に泊りがけで行くというと、東京の友人たちはたいてい驚いた顔をする。「何があるんですか?」と失礼な質問をしてくる輩すらいる。東京からの距離を考えれば、用事があったとしても日帰りが当り前という前提にしているのだろうと思う […]
静岡に泊りがけで行くというと、東京の友人たちはたいてい驚いた顔をする。「何があるんですか?」と失礼な質問をしてくる輩すらいる。東京からの距離を考えれば、用事があったとしても日帰りが当り前という前提にしているのだろうと思うから、あくまで優しく諭すように、しかし矢継ぎ早に静岡の魅力をまくしたてるのが常だ。
例えば夕方に到着したとしたら『泰平』に行くか『多可能』に行くか、それとも『三河屋』かで相当に迷う。はしごをすることをあまり好まないので、どれか1軒に絞りたい。そこで満腹になったら、ホテルに戻る前に『ボタニカル』に寄って、旬の果実のカクテルを頼む(はしごを好まないと言った舌の根も乾いていないのに)。
翌朝は『まるしま』でおにぎりとおでんが待っている。そのままバスに乗って『大やきいも』へ行き、さらにおでんを食べることも多い。そして昼になれば……と、行きたいところが数珠繋ぎで思い浮かぶので、日帰りの予定など考えたこともない。ひとつ問題があるとすれば、静岡駅の新幹線ホームに東海軒の売店があることだ。そこにトリコロールのシンプルな箱に入ったサンドイッチを見つけたら、ぼくは素通りできない。気づくと買ってしまっているのだ。これはいったい何ごはんなのだろう? と思いながら。
朝、『まるしま』に入ると、真ん中におでん鍋が埋め込まれた正方形のテーブル席には先着の常連らしきおばさまが、ひとり座っておられた。ここへは何度か来たことがあり、このテーブルが相席用だと知っていたので向かいに座ると、「どこか […]
朝、『まるしま』に入ると、真ん中におでん鍋が埋め込まれた正方形のテーブル席には先着の常連らしきおばさまが、ひとり座っておられた。ここへは何度か来たことがあり、このテーブルが相席用だと知っていたので向かいに座ると、「どこから来た?」とおばさま。「東京からです」と答えると、「私、今日は健康診断で朝から何も食べてなくてさ」と、旧知の間柄のようによもやま話をしながら食事を済ませ「これはまだ味が染みてない」「これは食べておけ」と言い残し帰っていった。
夕方、『三河屋』の暖簾をくぐると私たち2人で全席が埋まり、ご主人と女将さんを前方におでん鍋・揚げ鍋・焼台を囲む円陣が出来上がった。おひとりさまのご婦人、友人同士だという年配のご夫婦2組、すでにいい感じに酔っ払っている年齢層バラバラの4人組。若いサラリーマン2人。“はじめまして”の隣の人と肩の触れ合う距離感で、あるグループが「かぼちゃフライ」を頼むと「ウチも同じの!」と影響を受け、だんだん不思議な一体感とともに他愛ない会話が生まれてくる。そこにはやっぱり、大して意味のないやりとりしかないのだけど、昨今皆が意識的に作ろうとする「人と人とがつながれる場」が、この2つのテーブルでは図らずも体現されている。距離感なのか、おでんなのか、ご主人の人柄なのか。それとも土地柄なのだろうか。
※記載の内容は2017年6月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。
※記載の内容は2017年6月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。