阿倍野

1 食堂 虹の仏

四天王寺そばに佇む、日替りカレーが評判の食堂です。和食料理人の経験を持つ店主が作るのは、南インドのスパイス使いとスリランカのレシピを融合し、ダシ使いにこだわったオリジナルカレー。たっぷりの野菜と副菜、古代米とカレーを混ぜるごとに旨味があふれ、虹のように多彩な味の変化が楽しめるのです。

大阪市天王寺区四天王寺1-12-23
☎06-6777-4662

2 四天王寺

593年に聖徳太子が建立したと伝えられる、日本初の本格的な仏教寺院。立派な中門から五重塔、金堂、講堂が一直線に並び、周りを回廊が囲む古来の建築様式が見られます。毎月21日(弘法大師の命日)と22日(聖徳太子の命日)には、江戸時代から続く歴史ある縁日を開催。骨董品、食べ物屋など多くの露店が並びます。

大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
☎06-6771-0066

3 ドレミ

通天閣のほぼ真下にある純喫茶です。創業昭和42年当時の面影を残すレトロモダンな空間には、コーヒーやミックスジュース、パフェやあんみつ、濃厚なプリン、ふわふわのホットケーキなど昔ながらのメニューが揃い、そのほとんどが自家製なのだそう。観光地の中心にありながら、ゆるやかな時が流れるステキなお店です。

大阪市浪速区恵美須東1-18-8
☎06-6643-6076

4 天王寺公園

天王寺駅北西に広がる市民の憩いスポット。明治42年に開かれた公園内には、市立美術館、天王寺動物園のほか旧住友家の名園・慶沢園、江戸幕府が豊臣方を滅ぼした「大坂の陣」で知られる茶臼山などが点在し、歴史散歩にもおすすめ。昨年には園内に芝生広場「てんしば」がオープンし、新名所として賑わっています。

大阪市天王寺区茶臼山町1-108
☎06-6771-8401

5 大阪市立美術館

左右対称のクラシカルな洋風建物が印象的。館内に入ると、美しいシャンデリアのある吹抜けの大ホールが出迎えてくれます。広々としたフロアでは、多彩な特別展やコレクション展を開催。日本・中国の絵画・彫刻・工芸など8000件を超える館蔵品や、社寺などからの寄託品を収蔵。コレクション展では東洋美術の魅力を堪能できます。

大阪市天王寺区茶臼山町1-82
☎06-6771-4874

6 Veggie+

「おうちファーム」をテーマに、江戸時代から天王寺で続く種苗販売店「赤松種苗」が今年オープンした種苗店。家でも育てやすい野菜やハーブの苗、インテリアグリーン、エアプランツ、多肉植物ほか、おしゃれな園芸雑貨も充実。定期的に植物のワークショップを行うほか、育て方の相談に乗ってもらえるので、初心者にも安心。

大阪市天王寺区堀越町11-11
☎06-6777-1330

7 旬菜と海鮮 森田屋

昼すぎから地元のお客さんで賑わう、カウンター中心の大衆居酒屋さんです。新鮮な魚介系や旬菜を中心に、日替りの肴や地酒も豊富。皆が好きな本マグロ、日本酒と合う牛てっちゃん、ダシが染みた関東煮(おでん)など、どれも安い、旨い! 人情味溢れるもてなしも相まって、楽しいお酒が進むこと間違いなしの一軒です。

大阪市天王寺区堀越町12-11
☎06-6772-6256

8 スタンダードブックストアあべの

市内に3店舗を展開するカルチャー&ライフスタイルブックストア。本のほか雑貨、文具まで、各店スタッフの個性が光るセレクトが魅力で、あべの店では関西の作家の作品や雑貨も展開しています。併設のカフェではトークショーなどのイベントも定期開催。気軽に立ち寄れて、毎回新しい発見がある、頼もしい街の本屋さんなのです。

大阪市阿倍野区阿倍野筋1-2-30 Hoop6F
☎06-4703-5881

9 明治屋

駅周辺に乱立する新しい商業施設の中で、渋いのれんと外装が異彩を放つ老舗。創業は昭和13年で、阿倍野筋再開発を機に移転リニューアルオープンしたそう。移転前の面影を残す店内には豊富な黒板メニューが並び、名物のきずしや湯どうふなどがいただけます。おいしい日本酒を片手に、阿倍野に息づく居酒屋文化が体感できますよ。

大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 ヴィアあべのウォーク1F
☎06-6641-5280

10 漆ギャラリー舎林

全国の漆作品を販売するギャラリー。輪島の赤木明登さんをはじめ、魅力的な36人の作家作品が揃い、塗りや金継ぎなどの漆教室も行います。「漆は丈夫で扱いやすく、補修や塗直しをしながら長く使えるのが魅力」と店主の山田冨美子さん。長年漆に魅了され、’04年に地元で店を開いたのだそう。日常に寄り添う、一生ものに出合えます。

大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋2-4-41
☎06-6624-2531

11 居留守文庫

長屋を改装した店内は、積み上げられた木箱の中に様々なジャンルの古本がたくさん。演劇人でもある店主の岸昆さんは、演劇小道具の「箱馬」を本棚にして可動式の空間を作り、展示やイベントも開催。箱単位での委託販売、出張販売も行っています。店内はまるで仮設舞台のように変幻自在、日々更新を続けるユニークな本屋さんです。

大阪市阿倍野区文の里3-4-29
☎06-6654-3932

12 うどん亭 瀬戸香

10年続く人気のうどん屋さんです。昆布や煮干など6種の素材で手間暇かけてとる白出汁、21時間熟成させるという讃岐系の自家製麺など、店主のこだわりが光る豊富なメニューが揃います。いただいたのは、めかぶを使った磯辺うどん。まろやかな熟成つゆとサクサクの天ぷら、つるりとコシのある麺が絶妙のおいしさでした。

大阪市阿倍野区阪南町1-28-7
☎06-6628-1184

13 暮らし用品

戦災を逃れた古い長屋が点在し、昔の佇まいを残す昭和町エリア。こちらはオーナーのひいお爺さんの持ち物だったという長屋を生かした器と道具のお店。趣ある和空間には、全国の作家約20名による暮らしの器、カトラリーなどが充実。自家製のお菓子がいただけるカフェも併設し、定期的に開催される企画展や展示も楽しみです。

大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
☎06-6628-2606

14 ジャンゴ

昔のアメリカを訪れたような、無骨な佇まいが魅力的。手作りの照明やソファ、オリジナルのカトラリーなど、長年思い描いてきたものを集めたという店主のジャックさんは、自家農園で育てた有機野菜を主役に、ボリュームたっぷりの世界のソウルフードを提供。ジャズやブルースなどの音楽に身を任せて、心地よい夜が過ごせます。

大阪市阿倍野区王子町2-4-11
☎06-6115-7955

15 s.201

昭和町駅そばの古いビルをリノベーションした一室に佇む、点心とお酒のお店。毎日職人が手作りする点心は、エビニラやパクチーなどどれもプリプリ・もちもちの食感が美味。種類豊富なウィスキーやワインほか、厳選したお酒との相性も抜群。ランチには中国茶もあり手軽に飲茶が楽しめるとあって、女性客も多く通います。

大阪市阿倍野区阪南町1-50-28 昭南ビル201
☎06-6657-5505

16 BOSTON 昭和町本店

1952年、昭和町の商店街からスタートしたハンバーグ専門店。ここ昭和町本店の名物は、ハンバーグに和風だしを注いでオーブンで焼き上げる「煮込みスープハンバーグ」。溶けるチーズと肉汁、さっぱりした和風だしの旨みを凝縮したコク深いスープが絶品! 最後はライスを入れてリゾットにするのが正解です。

大阪市阿倍野区阪南町1-50-4
☎06-6625-0050

17 ガロート珈琲

ゆったりとしたソファ席が並ぶ店内には、192050年代のジャズやブルース、ラテンなど昔のSP・モノラル盤のレコードがたくさん。店主の小西一平さんが集めたセンス溢れる音楽、自家焙煎の香り高いスペシャリティコーヒー、美味しいチーズケーキや焼き菓子。どれもさりげなくてハイクオリティなのが素晴らしい。

大阪市阿倍野区阪南町2-21-26
☎ 06-6623-0627

18 山田おかき店

王子商店街の外れで50年以上続くおかき店。引き戸を開けると、店内には30種以上のおかきがところ狭しと並んでいます。香ばしいしょうゆ味、水飴をからめたかりんとうをはじめ、国産の良質な素材を使って手焼きするおかきは、歯ごたえ抜群でクセになるおいしさ。遠方のファンも多く、地方発送も行っています。

大阪市阿倍野区王子町2-14-13
☎06-6621-9391

19 阿倍王子神社 あべの王子みのり市

平安時代に熊野詣でが流行し、京都から熊野へ向かう人々の癒しと遥拝の場所として賑わった王子社(熊野大社の末社)。毎年秋には、秋の実りに感謝する「みのり市」を開催。自然の恵みがつまったナチュラルフードや古道具、クラフト雑貨など選りすぐりの店舗が並び、多くの人で賑わいます。

大阪市阿倍野区阿倍野元町9-4
☎06-6622-7820

20 あたりきしゃりき堂

あべの筋の古民家の1階に、おいしそうなドーナツ屋さんを発見。揚げたての金色のドーナツをほおばると、さくさく・ふわふわの素朴な風味が広がります。シンプルなおいしさの秘密は、国産小麦や徳之島きび和糖、無添加のなたね油など、あたりまえにいい素材でていねいに手作りするから。趣ある店内で喫茶もできます。

大阪市阿倍野区阿倍野元町9-7
☎06-6623-1890

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ユナイテッドアローズ
グリーンレーベル リラクシング
あべのキューズモール店

〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1
あべのキューズモール2F

☎06-4396-6182

営業時間/10:00~21:00

http://store.united-arrows.co.jp/shop/glr/

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阿倍野は地べたの似合う街

中川和彦 スタンダードブックストア

今の阿倍野橋駅は、僕がこの駅を利用するようになってから数えても、もう三代目で、とうとう日本一高いガラス張りのビルが上にくっついた。阿倍野という街は、上へ上へと伸びるよりも“地べた”が似合っているような気がする。上へ上へと […]

今の阿倍野橋駅は、僕がこの駅を利用するようになってから数えても、もう三代目で、とうとう日本一高いガラス張りのビルが上にくっついた。阿倍野という街は、上へ上へと伸びるよりも地べたが似合っているような気がする。上へ上へと行くほど、街を感じにくくなってしまうから。駅周辺もこの大規模な再開発で、路面店がすっかり減ってしまったし、この街の風情だったチンチン電車は残ったけれど、一新したピカピカの街並みの中を走る姿は、やっぱり少し違和感。高くするのはもうこのくらいにして、そろそろ横に広がり、地べたの感覚を取り戻した方がいいんじゃないかと思う。単なる懐古主義は良くないけれど、つるっとして引っかかりのない建物の合間を歩くよりも、街はやっぱり風や日差しや音、地べたを感じて歩くのがいい。その街ならではのザラつきを肌でキャッチするのが、街歩きの楽しさなのだ。計画的に作られた街よりも、いろんなピースがちりばめられた多様性のある街。パズルがうまくはまらないようなのが、実は心地いい。隙間ができて、そこに異物が入り込んで、化学反応が起きていく。そして、それは本屋にも言えることだ。HOOPというピカピカのビルの6階で、スタンダードブックストアが街の本屋になる方法。どう隙間を作り、どんな反応を呼び起こせるのかを、日々考えている。

人に触れてこそ大阪の魅力

石田エリ

阿倍野・天王寺というと、聖徳太子が創建した四天王寺、熊野街道とそのゆかりの阿部王子神社、通天閣に新世界…いにしえの頃から時代々々の色濃い文化的シンボルが層をなしたような街。そこに加えて〈あべのハルカス〉という日本一の高さ […]

阿倍野・天王寺というと、聖徳太子が創建した四天王寺、熊野街道とそのゆかりの阿部王子神社、通天閣に新世界…いにしえの頃から時代々々の色濃い文化的シンボルが層をなしたような街。そこに加えて〈あべのハルカス〉という日本一の高さを誇るランドマークが登場して、ますますごちゃまぜ感のある(いい意味で)見どころ満載のエリアになってきた。そんな中でも、特に歩いて楽しかったのが、趣ある古い長屋や古民家がちらほらと残る、阿部王子神社の界隈。この辺りを歩いていて出合ったのが、長屋の手作り感ある店構えのドーナツ屋〈あたりきしゃりき堂〉だった。子どもからお年寄りまで、近所の人たちが自転車でひっきりなしに買いに来る。国産無添加の食材で手づくりされたドーナツはどこか懐かしい味わいで、「添加物のなかった時代には当たり前だったことをやってるだけなんですよ」とご主人。制服姿の高校生が買いに来れば“学割”で販売したり、「つきいち遊び広場」という名で子どもたちに昔の遊びを教えていたり。この店が、地域の人たちに愛されているのは、ご主人の人柄があってのこと。こう言うと身も蓋もないのだけど、大阪の見どころは史跡やランドマークなどではないと思う。大阪はコミュニケーションの街。人に触れてこそ、この街のほんとうの魅力にたどり着くことができる。

※記載の内容は2016年5月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。

※記載の内容は2016年5月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。