北千住

1 タカラ湯

宮造りの風格ある建物や縁側から錦鯉と日本庭園が眺められることで知られる「タカラ湯」は、地元民だけでなく銭湯マニアにも人気のスポット。入口の七福神の彫刻や格天井、レトロなタイルやロッカーは年季が入っているけれど、隅々まで手入れが行き届いていて、気持ちのよい空間が広がっています。

足立区千住元町27-1
☎03-3881-2660

2 ニコニコ湯

昭和28年創業、今もなお薪と重油で湯を沸かす銭湯。薬湯や塩サウナ、子ども用の小プールなど、日替わりでさまざまなお湯が楽しめるうえ、深夜24:30までの営業なので、仕事後の会社員や学生の深夜の憩いの場に。1日の終わりに広い湯船でゆっくりと温まって、疲れを癒してください。

足立区千住柳町2-10
☎03-3882-6645

3 寛美堂

北千住駅近くの路地裏にある人気カフェ「わかば堂」が姉妹店をオープン。ランチは栄養バランスの整った定食を日替わりで提供。フルーツをたっぷりトッピングしたプリンアラモードや日替わりのケーキやマフィンなど、甘党からも熱い支持を得ています。昼から夜まで通しで営業しているのも嬉しいポイント。

足立区千住4-20-1 2F
☎03-6806-1385

4 加藤煎豆店

創業は1930年。木枠のガラスケースから量り売りする人気商品は、素煎りの落花生。「機械むきよりも手むきの方が味がよい」と語られるだけあって、その味を求めてやってくる飲食店の店主も多いそう。看板や商品の袋に描かれたチャーミングなイラストは、漫画家の長崎抜天さんによるもの。

足立区千住中居町19-8
☎03-3881-2934

5 タンブリン カレー&バー

カフェのようなおしゃれな空間で提供されるオリジナルカレーは、マニアも唸る本格派。さらりとしたルーが特徴のスリランカカレー、混ぜていただくタンブリンカレーなど、独自のスパイス配合で病みつきに。前菜の盛り合わせやサラダ、タンドリーチキンなど、サイドメニューにもセンスとこだわりが光ります。

足立区千住2-29-1
☎03-3879-6828

6 千住の永見

開店の15時半から賑わう、飲み屋横丁を代表する老舗の人気店。串焼き、焼き物、揚げ物、酢の物といった豊富なメニューは「これぞ大衆酒場」と思わずニヤリとしてしまうものばかり。ニラとニンニク入りの魚のすり身を揚げた名物・千寿揚げは、地名にちなんだネーミングで、店主の地元愛を感じます。

足立区千住2-62
☎03-3888-7372

7 トーフショップむさしや

創業90年。十勝もめん、きぬとうふ、ごまとうふ、ざるとうふ、がんもや揚げものなど、日々の食卓に欠かせないさまざまな商品を販売しています。味わいの秘訣は、旨みや甘さを封じ込める天然の大島にがり。そこに熟練の技が加わり、大豆本来の味をしっかりと感じられる美味しさを生み出します。

足立区千住1-30-1
☎03-3881-7516

8 コーヒーワークショップ・シャンティ

時間を経て美しい飴色になった木のテーブル、オーディオから流れるジャズ、丁寧に淹れられるサイフォンコーヒー。賑やかな千住本町商店街にいることを忘れてしまうほどゆったりとした時間が流れる珈琲専門店。白いシャツをまとったオーナー夫婦のあたたかな接客から生まれる、気取らない雰囲気も素敵です。

足立区千住1-30-1
☎03-3881-6163

9 酒呑倶楽部 アタル

飲み屋横丁のニューフェイスとして熱い視線が注がれる「アタル」の看板メニューは、千寿葱ともろみ味噌とチーズ、するめいかと生海苔など、さまざまなコンビネーションが楽しめる蒸しつくね。そのほかのヘルシーで手の込んだ料理も、日本酒や自然派ワイン、サワーと相性が良く、気持ちよく酔うことができます。

足立区千住1-32-6
☎03-5284-8667

10 民芸茶屋 佐留丹

銚子産ショウサイフグの鍋や元シェフの先代の味を引き継ぐビーフシチュー、継ぎ足し煮汁のいかの丸煮など、一度味わうとまた来たくなる魅力を持つ居酒屋。これからの季節は、フグのひれ酒で温まるのもおすすめ。たくさんのフグ提灯がぶらさがっている様子もこの店ならではの味わいです。

足立区千住1-33-8
☎03-3882-7229

11 喫茶 蔵

大正時代に「大倉屋質店」として創業。その帳場と蔵を改装してできたのがこちらの喫茶店。経年変化を感じるレトロな空間でいただく珈琲のお供には、たい焼きやホットケーキ、いそべ巻きを。街の移り変わりを見届けてきた店主・大和田さんは割烹着姿が麗しく、心地よい喫茶空間を提供してくれます。

足立区千住1-34-10
☎03-3882-0838

12 Pizzeria ALLORO

500度の薪釜で一気に焼き上げる本場さながらのナポリピッツァは、選び抜かれた粉や塩、水分のバランスが旨さの秘訣。トマトソースを使わず、ドライトマト、水牛のスペシャルモッツァレラ、パルミジャーノ、バジルでつくる「ドライトマトのマルゲリータ」は、食材の甘みや酸味、コクを存分に堪能できるメニューです。

足立区千住旭町3-13
☎03-6873-3886

13 さかづきBrewing

ガラス越しに醸造タンクを眺めながら、ぐびぐびっと喉を潤せるクラフトビール専門店。イングリッシュペールエールの風月、ベルジャン・ブロンドエールの春風などのオリジナルビールのほか、その美味しさを最大限に引き出すおつまみも絶品。本格派ドイツソーセージやサラダが盛られた「ほろ酔いセット」も満足度の高いひと皿です。

足立区千住旭町11-10
☎03-5284-9432

14 いのこ菓子店

さくっとした食感のパイ生地に紅玉りんごの美味しさが詰まった英国風アップルパイ、ガナッシュチョコやキャラメルの層を楽しめるキャラメルショコラバナナパイなど、スイーツ好きのツボを押さえた美しいケーキを提供。季節の食材を使用しているので、ラインナップもさまざまに変化して、いつ訪れても旬の味を堪能できます。

足立区千住旭町12-3
☎03-6806-2306

15 肉のトキワヤ

さまざまな飲食店や商店が軒を連ねる旭町商店街の精肉店は、肉の質はもちろん、唐揚げ、メンチカツ、じゃがいもコロッケ、アジフライなどの揚げ物やお惣菜も評判。お昼時や夕方は特に多くのお客さんで活気づきます。どれもひとつ100円前後の良心価格。軒先に並ぶ焼き鳥の香りも食欲をそそります。

足立区千住旭町26-13
☎03-3888-1129

16 nomiya

今年10月にオープンしたばかりの新店舗。浅草のカフェでパティシエとしてキャリアを積んできた店主・川崎さんが飲み屋+洋菓子店という斬新なコンセプトで開業。毎日手作りするケーキと焼き菓子をメインに、お酒や珈琲を楽しむことができます。わずか5席という小さなお店ながら、路地裏でほっと一息つける穴場です。

足立区千住旭町24-1
☎03-5284-7603

17 松むら

変わらないシンプルな味で地元民に愛され続けている北千住の名物といえば、こちらのいなり寿司とかんぴょう巻き。いなり寿司は春から夏にかけては白飯、9月から3月はハス、昆布、人参が入った五目御飯に。持ち帰り専門店だけど、落語が好きな店主・立花さんとの楽しいおしゃべりもまた素敵な時間に。

足立区柳原2-23-6
☎03-3881-1790

18 仲町の家

市民参加型のアートプロジェクト「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」の活動の足場として機能する「仲町の家」は、戦前に建てられた風情ある日本家屋。アーティストによる展示や映画上映のほか、ミーティングや交流の場所として気軽に訪れることができ、そこに集う人の輪が広がっています。(土・日・月・祝日のみ開室)

足立区千住仲町29-1
☎03-6806-1740

19 BUoY

2階は元ボウリング場、地下は元銭湯の廃墟を改装した、劇場・稽古場・ギャラリー・カフェを擁するアートセンター。社団法人「BUoY」の代表で芸術監督を務める岸本佳子さんが手がけるプログラムをはじめ、多様なアーティストの表現やコラボレーションによって新しい価値観や物語が誕生しています。

足立区千住仲町49-11
☎080-3390-7776

20 石洞美術館

所蔵品は土器、陶磁器、仏像、青銅器、玉器など、公益財団法人美術工藝振興佐藤基金の佐藤千壽初代理事長が60年かけて世界各国で蒐集したもの。千住の地にちなんだ作品、葛飾北斎や安藤広重の錦絵なども所蔵しています。銅板葺きおろしの屋根、煉瓦タイル貼りの平面六角形のユニークな建物も必見です。

足立区千住橋戸町23
☎03-3888-7520

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ユナイテッドアローズ
グリーンレーベル リラクシング
ルミネ北千住店

〒120-0026 東京都足立区千住旭町42-2
ルミネ北千住4F

☎03-5813-0447

営業時間/10:00~20:30

http://store.united-arrows.co.jp/shop/glr/

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ボクの北千住散歩ツアー。

加藤孝司/ジャーナリスト

お弁当を持って自転車で。それがボクのいつもの北千住だ。 ボクが住んでいる浅草からは自転車で約30分。三ノ輪、南千住を抜け、橋梁設計技術者の増田淳が設計した千住大橋を渡る。足立市場を迂回し、さらに日光街道を北上すると、目の […]

お弁当を持って自転車で。それがボクのいつもの北千住だ。

ボクが住んでいる浅草からは自転車で約30分。三ノ輪、南千住を抜け、橋梁設計技術者の増田淳が設計した千住大橋を渡る。足立市場を迂回し、さらに日光街道を北上すると、目の前に千住新橋に続く緩やかなスロープが見えてくる。

右に北千住駅、左に千住柳町。駅周辺は西口も東口も商店街が充実している。ボクが好きなのは、駅前から奥まった位置にあるひなびた商店街。千住柳原にある柳原千草通りは、車も通れないほどの狭い路地に、総菜店や荒物屋など味わい深い店が軒を連ねる。駅の反対側にある千住柳町あたりも町歩きが楽しい場所。いずれも足を延ばす価値がある町並みが残っている。

宿場町風情の残るサンロード商店街の奥にあるのは、大好きなかどやの槍かけだんご。作りたてのモチモチしたやきだんごをまずは一本その場で。あんとやきをそれぞれ包んでもらうのがオススメだ。

自転車のカゴの中には、お弁当と買ったばっかりのおだんご。そして目的地はいつもの荒川土手だ。広々とした広場、対岸にはえんじ色の首都高のスカイラインが見える。ベンチに腰掛けお弁当を食べる。天気が良ければなお最高だ。

街の大先輩が鎮座する北千住。

石田エリ

包容力のある街が好きだ。北千住は、浅草のような観光地化された下町でもなく、その土地の面影を一掃するような都市開発にも犯されていない。新しいものが少しずつ混ざり合っているようなムードがあって、聞くとその理由の一つに、この街 […]

包容力のある街が好きだ。北千住は、浅草のような観光地化された下町でもなく、その土地の面影を一掃するような都市開発にも犯されていない。新しいものが少しずつ混ざり合っているようなムードがあって、聞くとその理由の一つに、この街には10年前に東京藝術大学の千住キャンパスが誘致され、そのあと続々と5大学のキャンパスができたことがあるという。昭和が色濃く残る下町風情の街に若い世代が流れ込む。それによって街の姿が一新したというよりも、むしろ姿を変えることなく若返っているように見えた。

21もあるという商店街、数は減ったけれど瓦屋根の老舗銭湯、大衆酒場が軒を連ねる飲み屋横丁……そんな重鎮たちの隙間にちらほらと、この街のムードを受け継ぐような新しい店。ピカピカの街では決して出会えない個性的な人たち、芸術家志望の若者、老若男女多様な人々を包み込んで街全体が自力で細胞分裂している。そして、今やどこへいっても「後継者がいない」と店じまいを余儀なくされる話を聞くけれど、最後に訪ねた「稲荷の松むら」では娘婿さんが継ぐべく修行中だというのを聞いて、親父さんの胸の「巨人」がなんだか輝いて見えた。この街の絶妙なバランスは、この道何十年という大先輩たちの錆びつくことのない気概によって保たれているのかもしれない。

※記載の内容は2018年11月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業内容等の変更があり得ることをご了承下さい。

※記載の内容は2018年11月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業内容等の変更があり得ることをご了承下さい。