鹿児島

1 コーヒー・イノベート

オシャレっていう言葉が、たまに「堅苦しい」と同等に感じられることがあるけれども、この店に初めて訪れたとき「オシャレはなんと気持ちのいい日常なのだろう!」と感じました。陽のあたる天井の高い空間に集まる人々。迎えてくれるのは、フルーティーなコーヒーです。

鹿児島市山下町12-12-1F
☎099-210-7237

2 はいさい

沖縄料理屋さん。鹿児島弁と沖縄弁は似ているな、と思うことが多々あります。距離が近いだけあって、人々の気の流れも似ているような。「はいさーい♪」で始まる、店のお母さんのツイート(@HAISAI_info)がとてもチャーミングで、料理にもその陽気な感じが降りそそいでいます。

鹿児島市山下町12-12-1F
☎080-3952-9039

3 桜島フェリー

鹿児島港と桜島港を結ぶフェリー。運行は24時間やっています。桜島に行く用事がなくても乗船して、桜島、鹿児島の街を湾から眺めるのは気持ちいい。どの船にもうどん、そば屋さんの「やぶ金」があって、15分という短い渡航内で、ズルズルっとすするのも楽しい時間です。

4 千代茶屋

相撲部屋のちゃんこ番であった大将が営む、ちゃんこ鍋屋。初めて訪れたときに驚いたのが、鍋の前に出される前菜の盛り合わせ。鹿児島の味が充分につまっています。塩味のちゃんこは、薄切りのしゃぶしゃぶ用豚肉も一緒に出てきます。ビール以外のお酒の持ち込みオッケーで、お気に入りの焼酎持って“よか晩”を!

鹿児島市名山町4-11
☎099-224-0787

5 西郷隆盛銅像/中央公園

上野駅にある犬と散歩する西郷どんに慣れ親しんでいると、ここの銅像の大きさにびっくりします。向かいにある中央公園(テンパーク)もよく晴れた日には絶好のスポットで、ゴローンとゆっくり過ごすのにはもってこいです。夏は、子どもたちが水遊びができる「ジャブジャブ池」が開放されます。

6 YANO CAKE TEN MOKU

しっとりとした小麦、季節ごとのフルーツ、しっかりとした甘さ。家庭で子どものためを思ってお母さんが作るようなケーキが味わえます。テイクアウトのみの販売です。ここでケーキを買って、上で紹介した『コーヒー・イノベート』でカプチーノ買って、中央公園で午後を過ごす。贅沢な午後のひとときです。

鹿児島市照国町10-19
☎099-224-7045

7 東川酒店

焼酎が苦手な人も、鹿児島を訪れたら「おいしい」と言葉にする人たちが多いのも、“よか晩なァ”(家族や友人たちと飲みながら、食べながらいい夜を過ごすときに言うセリフ)が大好きなこの土地のマジックです。『東川酒店』の店主と、昨晩飲んだ焼酎の話をしながら、お土産を選ぶのも一興です。

鹿児島市照国町17-6
☎099-222-4835

8 旬菜くらかけ

鹿児島のおばんざいを食べられる料理屋さん。まだ鹿児島へ行ったことがない友人たちに魅力を簡単に説明するとき「人がいい、そして食材がいい」と伝えます。『くらかけ』の、きっぷのいい女将さんは、「おごじょ(鹿児島の女性)は情が厚いからお嫁さんにもらうとよかよ」と教えてくれました。

鹿児島市薬師1-18-18
☎099-206-5488

9 霧島温泉

日本有数の、温泉銭湯がある鹿児島市。ほとんどが、早朝からやっています。天文館から歩いていける距離にあるここは、地の利もあって、地元の人たちだけでなく旅人の疲れも癒してくれます。温泉宿に泊まらずとも、いい泉質の温泉につかれるのは、贅沢というほかありません!

鹿児島市西千石町6-20
☎099-222-4311

10 黒豚料理あぢもり

いまや、全国区で食べることのできる黒豚料理を始めたのが、このお店だと聞きました。「しゃぶしゃぶ」は、一口目は出汁にくぐらせたそのままをいただきます。薩摩の豚の「甘さ」に感動! その後は生卵につけて、さらに奥深い味に敬礼! ランチメニューのとんかつやメンチカツもファンが多いです。

鹿児島市千日町13-21
☎099-224-7634

11 タイヨー銀座店

生鮮食品を扱うスーパーです。全国でおなじみの商品も、もちろん並んでいますが、他の土地では見られないローカルのものを見つけることができます。出会ったことのないアイスのパッケージにニヤニヤしたり。旅人だけに許されるスーパーマーケットでのアドベンチャーは、食材豊かな鹿児島でも健在です。

鹿児島市千日町11-17
☎099-226-3468

12 GOOD NEIGHBORS

1階は、カフェと国内外のデザイン雑貨を扱うPlaymountain KAGOSHIMA、古書を扱うBOOKS SMILE。2階はギャラリースペースになっています。地元の人たちは「石蔵」と呼びます。毎週土曜日17時10分からMBCラジオで石蔵発信の30分番組が始まったのが最近のニュース。文化が交差するサロンのような場所なのです。

鹿児島市住吉町7-1
☎099-295-6658

13 サンドイッチファクトリーナカムラ

天文館公園の近くにあるサンドイッチ屋さん。鹿児島初心者は、「天文館」と聞くと、何か天文台がある科学技術施設があるのかと思いますが、それは江戸時代のこと。今は、繁華街・歓楽街。天文館で一杯やった後、小腹が減って食べるサンドイッチは、また別格なのです。むろん、ランチにしてもGOOD。

鹿児島市樋之口町11-1
☎099-223-0948

14 のり一

こってりラーメン派としては、あっさりラーメンを食べるならば蕎麦が食べたいよ、と言い張っていたのですが…。ここのラーメンを食べて考えを改めました。焼酎で満たされた夜のカラダにも、おやつで小腹が空いたときも、すぅっとしみ込んできて、幸せ!となるのです。

鹿児島市山之口町9-3
☎099-222-4497

15 丁子屋 鹿児島店

お醤油屋さんです。県外から来た人がちょっとびっくりし、県外へ引っ越した人が懐かしんで取り寄せるのが、甘口の「醤油」。甘口が苦手な旅人のみなさんには、「なごみ酢」という合わせ酢がオススメです。甘酸っぱくてまろやかな味に「この感じ初めて~!」と言う人たち多数です。

鹿児島市南林寺町5-12
☎099-226-8686

16 市場食堂

鹿児島市中央卸売市場、魚類市場内にあります。市場で働く人たちがよく利用する食堂なのですが、旅人も優しく迎えてくれます。定食に付いてくるみそ汁を、貝汁に変更するのを強くおすすめします。世界中どこを旅行していても「市場食堂の貝汁」を頭に思い浮かべるだけで幸せになる、そんな味なのです。

鹿児島市城南町37-2
☎099-224-9864

17 ベオーネ

鹿児島市とイタリアのナポリ市が姉妹都市であると聞いて、ナポリの風景を調べたら、本当にソックリで「うむ」とうなずきました。ちなみに、「ベオーネ」はイタリア語で「酒飲み」の意味だとか。こちらも「うむ!」と声がでてしまいます。ナポリで作られた窯で焼いたピッツァを食べたら、更に納得しました。

鹿児島市中央町31-24
☎099-251-7902

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COLUMN

ユナイテッドアローズ
グリーンレーベル リラクシング
アミュプラザ鹿児島店

〒890-0053 鹿児島県鹿児島市中央町1-1
アミュプラザ鹿児島 1F

☎099-213-8760

営業時間/10:00~21:00

http://store.united-arrows.co.jp/shop/glr/

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COLUMN

マイ・カインド・オブ・ネイバーフッド

岡本 仁

知り合いが名山堀にあるスペインバルへ連れていってくれた。中はとても狭かったが、狭いからこその、機能的に使えるよう考え抜いたすえの合理性が興味深くて、しばらくはそれに見とれてしまう。料理はどれも美味い。最初はスペイン産のビ […]

知り合いが名山堀にあるスペインバルへ連れていってくれた。中はとても狭かったが、狭いからこその、機能的に使えるよう考え抜いたすえの合理性が興味深くて、しばらくはそれに見とれてしまう。料理はどれも美味い。最初はスペイン産のビールを1本だけ飲み、あとは延々とワインとともに、生ハムやアヒージョやトルティージャを楽しんだ。これで名山堀に知っている店が3軒できたことになる。ここ『エルマリノ』と、前に友人が連れていってくれた居酒屋の『あかね』と『のら』だ。

住所は名山町なのに「名山堀」と地元の人が呼ぶのは、このあたりに昔は名山堀と呼ばれる運河があったことの名残だと聞いた。よく映画などで見る闇市のような猥雑な雰囲気もうっすらと感じられる古い町並み。間違いなく、かつては今以上に賑わっていたのだろう。嬉しいのは、味わいのある木造の小さな建物をそのままに、新しくそこで面白いことをやってみようとする人が少しずつ集まってきているような気配があることだ。そういえばついこの間も、同じ名山町にある古いビルの1階が改装されたそうだ。どんなふうになったのだろう。次に鹿児島へ行くのが楽しみだ。もし鹿児島に住むことがあるのなら、ぼくは名山堀に住みたいと思っている。

プリーズ・テイク・ユア・タイム

島本 塁

初めて鹿児島へ行った夜に、『ごん兵衛』へ連れていってもらった。あまり慣れ親しんでなかったお湯割をグビグビといってしまった。美味しい料理につられて、ついついと。店を出た後、グデングデンで千鳥足。宿への道すがらこともあろうに […]

初めて鹿児島へ行った夜に、『ごん兵衛』へ連れていってもらった。あまり慣れ親しんでなかったお湯割をグビグビといってしまった。美味しい料理につられて、ついついと。店を出た後、グデングデンで千鳥足。宿への道すがらこともあろうに、気分が悪くなってしまった。

その後、ほぼ毎月いろいろな理由をつけて東京から鹿児島へと通うことになる。昨年、たまたまイギリスから取材に訪れていたクルーを、少し言葉ができるからという理由でアテンドしたことがある。まだまだ新参者が案内している図は、自分でもちょっと不思議な風景だった。その夜、彼らを“夜の定石”と言わんばかりに『ごん兵衛』へと連れていき、よか晩を過ごした。

つい先日鹿児島へ行ったときも、またご飯を食べにいった。するとぼくの顔を見た店主が、英語で「ごゆっくり」は「プリーズ・テイク・ユア・タイム」であっているか、と尋ねてきた。ちょっとした通訳をしていたのを覚えてくれていたのである。正確な年齢は知らないけれども、父親と同じかそれ以上であるのは確かだ。そんな店主が外国のお客さんを精一杯もてなそうと新しい言葉を覚えるべく日々努めている。一瞬にして、ぼくの心はジーンと鳴った! こんなことがいつも起こるから、ぼくはまた鹿児島へ、『ごん兵衛』へ、と足を運ぶのだろう。

※『ごん兵衛』は閉業致しました。

※記載の内容は2012年5月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。

※記載の内容は2012年5月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。