熊本

1 NINi

雰囲気のある夫婦が営む、レストラン・バー。ゆったりとした空間が気持ちいい店内。しっかりと辛くて旨いアラビアータのスパゲッティと、ピカソが愛飲していたというリキュール〈スーズ〉をいただきました。後日友人から「チーズケーキは食べた?」と言われたのですが、食べ損ねたゆえ再訪を願っています。

熊本市中央区坪井2-3-37 3F
☎096-345-3588

2 下町ダイニング 松本家

暖簾をくぐると、大きな鉄板が2つ、愉快な店員さんがテキパキと調理をしています。水に溶いた小麦粉をクレープのように薄く焼き、キャベツやたくあん、肉などの具材を入れて、ぎゅっとコテで押し焼きした「ちょぼ焼き」がメイン。醤油味が香ばしく、唐辛子をたくさんかけていただくと、ビールが進みます。

熊本市中央区坪井1-2-28
☎080-5212-7050

3 flower FINE bits & bobs

自分が住んでいる街に不可欠なものの1つに、信頼のおける花屋さんが挙げられると思います。このお店は、冷蔵庫がなく、いつも新鮮な花が待ち受けています。伺った際にみせてもらったバラ。その香りは、これまで体験したものより遥か、品のあるものでした。珍しいエアプランツなども取り扱っています。

熊本市中央区南坪井町2-6
☎080-1775-2348

4 ごはん屋上の裏馳走 こだま

熊本の和食が食べられるレストラン。外から訪れると、やはり一食は土地の名産と呼ばれるものをいただきたくなります。辛子蓮根は注文してから辛子味噌を詰めて揚げてくれます。パリっと薄い衣とツンっとくる風味。ここでしか食べられない贅沢なものだな、と旅の喜びを与えてくれました。

熊本市中央区南坪井町2-4
☎096-323-6666

5 田中屋パン店

創業から87年、地元の人々に愛されているパン屋さんです。伺ったときは、クリームパン、シナモンロールを購入。初めていただく味なのに、幼少の頃母にねだって買ってもらったパンの味がして、心がほっとしました。イートインもでき、朝7時30分からやっているので、朝食をいただくのも、また嬉しいスポットなのです。

熊本市中央区上通町10-21
☎096-355-5215

6 特製珈琲 マホロバ。

昨年2月、もともと洋服店を営んでいたオーナーが同じ場所を改装して、作ったコーヒースタンド。店名は、古語で「素晴らしい場所」「住みやすい場所」の意味。インディペデントのスタンドが少ない熊本にあって、街歩きの途中でコーヒーを求めることができます。リクエストによっては、ラテに好きな絵を描いてもらえますよ。

熊本市中央区上通町8-2
☎070-5418-0088

7 熊本城

熊本に訪れる度に立ち寄るフェイバリットプレイス。清正像に挨拶をし、行幸橋を渡って坂を登ります。右に見える厳かな石垣とお堀は、いつも「はぁ」とため息が出る格好良さ。復元された本丸御殿の大広間には優美!の一言を。最近は、城内に殿様や武士のコスプレをした案内人もいて、より一層楽しい時間を過ごすことができます。

熊本県熊本市中央区本丸1

8 高砂や

もなか屋さん。注文したら、その場で作ってくれるので、パリっとした皮の風合いが絶品です。ここの店主は、金春流を受け継ぐ能楽師で、屋号の「高砂」も熊本とゆかりの深い能の作品から付けられています。もなかをいただきながら、俳句と能の関係について、とても面白いレクチャーをしてくださいました!

熊本市中央区河原町2
☎096-352-5339

9 スパイス食堂 BONGA

河原町を訪れたなら、ここのカレー屋さんに。ドアを開けた瞬間に、いろいろなスパイスの香りがします。いただいたのは、大好物の「バターチキン」。クリーミーで、かつ油っぽくなくて、うまかった! テイクアウトもできるようで、こんな店が近所にあれば、と思わずにいられないのです。

熊本市中央区河原町2
☎096-352-6005

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COLUMN

ユナイテッドアローズ
グリーンレーベル リラクシング
熊本鶴屋New-S店

〒860-0845 熊本県熊本市上通町2-2 鶴屋New-S 1F

☎096-312-6201

営業時間/10:30~20:00

http://store.united-arrows.co.jp/shop/glr/

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COLUMN

熊本は火の国

岡本 仁

九州新幹線が全線開通して、鹿児島中央駅から新大阪駅まで乗り換えずに行けるようになってからというもの、自分自身の動き方がずいぶん変化した。熊本でほぼ唯一の知っている店 「IRATY」 へときどき行けるようになったのも、新幹 […]

九州新幹線が全線開通して、鹿児島中央駅から新大阪駅まで乗り換えずに行けるようになってからというもの、自分自身の動き方がずいぶん変化した。熊本でほぼ唯一の知っている店 「IRATY」 へときどき行けるようになったのも、新幹線の開通がきっかけだ。

どういうわけか、ぼくは熊本にあまり縁が無い。『暮しの手帖』という雑誌に載っていた記事で知った「IRATY」も、熊本へ行く機会がないから、ずうっと行けないままだった。でもいまは、鹿児島から福岡へ行く途中とか、岡山から鹿児島へ行く途中とかに、熊本駅で降りて寄っていくことができる。ただし予約がなかなか取れないので、ここ2回ばかり、寄り道を諦めなければならないことが続いた。

選び抜かれた地元の食材を使ったバスク料理の店。肉や野菜をプランチャという炭火焼き器で焼くのが基本だけれど、その火の扱いのなんと繊細なことか。きっとほんのちょっとしたタイミングのずれで、料理はぜんぜん違うも味になってしまうのだろうなと、五感を研ぎ澄ませてプランチャに向かうシェフの背中を見ながらいつも思う。もしかしたら、ずっと夢見ているバスク旅行がなかなか実現しないのは、そして熊本の他の店のことを知らないのは、この店で得られる満足が大き過ぎるからなのかもしれない。

IRATY 熊本市中央区上通町7-35 熊本和数奇司館ホテル 1F(地図A) 096-356-1880

次回はここへ 次回もここへ

島本 塁

この『THINK LOCAL』シリーズも熊本編ではや9号目。事前の調査はするが、基本は現地に入ってからが勝負。そこで生活をしている知人に聞いた情報をもとに街を歩き、新たな店も発見する。 今回、初日に「橙書店」を見つけた。 […]

この『THINK LOCAL』シリーズも熊本編ではや9号目。事前の調査はするが、基本は現地に入ってからが勝負。そこで生活をしている知人に聞いた情報をもとに街を歩き、新たな店も発見する。

今回、初日に「橙書店」を見つけた。硝子越しに美しく並べられた本を見て、ここは是非伝えたい場所だと強く思った。だが、早い時間だったせいか、まだ開いていなく、宿の近くだし、ここは絶対ぼくたちの仲間の店!という理由で、ギリギリまで訪れなかったのだ。

「橙書店」は隣接する「orange」というカフェと雑貨を扱う店のオーナーが営んでいて、よくよく話をしてみると、ぼくの故郷、京都で珈琲の焙煎をしている友人と仲良しで、彼の豆を使っているという。「けど、私ネルドリップでもなければ、マシーンでいれちゃっているんですよ」とチャーミングな笑顔で。まさに、“仲間の店”であり、ぼくは嬉しくなって、カウンターで一緒になったマダムとお菓子のシベリアの話をしたり、昼間からビールを楽しく飲むおやじさんに挨拶をしたりしながら、彼らが愛す熊本の店の情報をたくさんいただいた。けど、時は既に遅し。熊本を出るのは翌朝で、すべては回れなかった。

こんな感じで、いろんな土地に“次回はここへ”あるいは“次回もここへ”という幸せを携え、自分の住む街へと帰るのである。

※記載の内容は2013年10月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。

※記載の内容は2013年10月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。