1 bread A espresso
朝の6時半開店のパンとエスプレッソの専門店。立ち飲み立ち食いだけどイートインが可能で、朝ごはんとして立ち寄るのもいい。開店早々から近所の人や出勤前の人が、ひっきりなしにお店に入ってきます。慌ただしくも活力に満ちた長崎の朝を感じることができます。オススメのパンはアールグレイ。食べきりサイズです。
1 bread A espresso
朝の6時半開店のパンとエスプレッソの専門店。立ち飲み立ち食いだけどイートインが可能で、朝ごはんとして立ち寄るのもいい。開店早々から近所の人や出勤前の人が、ひっきりなしにお店に入ってきます。慌ただしくも活力に満ちた長崎の朝を感じることができます。オススメのパンはアールグレイ。食べきりサイズです。
2 長崎県美術館
企画展も素晴らしいですが、コレクションの中の近代美術も魅力的です。ピカソの「鳩のある静物」は、小振りながらもここに来て鑑賞したい作品のひとつ。スペインとの交流が深く、なかなかお目にかかれないスペイン近現代美術と出会えるのも嬉しい。隈研吾が手がけた建築は、美術品と鑑賞者を優しく包んでくれます。
3 SOT L’Y LAISSE
店の前の赤いドラム缶が目印です。ドアを開けると、壁や天井にあるポスターや小旗などが目に飛び込んできて、一気にフランスに連れていかれたような気持ちになる、小狭さが心地良いビストロ。料理に勿体ぶった気どりはまるでなく、シンプルに美味しいと感じさせてくれる軽やかさが満ちていて、何だか元気になります。
4 小野原本店
黒漆喰の建築が、歴史を感じさせてくれる老舗のからすみ屋さんです。さて、この店のからすみ。ほどよく柔らかく、塩っけが絶妙で、とても美味しい。丁寧な仕事の上で作られたのだな、というのが一口食べてわかります。お店にはパスタなど、からすみを使った料理のレシピなどもあって、自宅でいただくのが楽しみに。
5 長崎歴史文化博物館
鎖国をしていた時期の長崎には、世界中から美術品や産物、数々の技術などが集まりました。この博物館では、その江戸時代から近代までの歴史を知ることができます。個人的には、印刷技術や写真技術のコーナーがとても興味をひかれました。地元に住む方々も一度訪れると新たなる発見があること間違いナシですよ。
6 elv cafe
中島川にかかる眼鏡橋のすぐ近くにあるカフェです。ストレートコーヒーやベルギービールなどの飲み物、ホットサンドや玄米カレーなどの食べ物、そしてデザートとバランス良く揃っています。店内に飾られているのは1960~70年代のポーランドで制作された映画や演劇のポスターで、珍しいものばかり。販売もしています。
7 一二三亭
たくさん飲んだ後の締めに何か食べたいと思った時に、真っ先に頭に浮かぶのが、この店のとろりとしたクリームのようなたまご雑炊です。そして、行く度にいつも最初からここに来るべきだったと反省してしまいます。何故なら、カウンターの上にならべられたお惣菜も、お品書きに並んだメニューも、どれも美味しそうだから。
8 岩永梅寿軒
長崎の名物と言えばカステラ。どこのカステラが良いですかと訊かれたら、天保元年(1930年)創業のこの店のものを推薦します。予約なしではなかなか買うことができません。好みもあるかもしれませんが、カステラは焼きたてのふわふわよりも、3~4日過ぎて全体にしっとりとしてきてからのほうが、より美味しくいただけると思います。
9 吉宗本店
茶碗むし専門店として創業したのが1866年という、歴史ある大店。当時からそのまま受け継がれてきた“茶碗むし御一人前”は、茶碗むしに蒸寿しが添えられているセット。他にも卓袱料理や幕の内や箱ずしなど、見た目も鮮やかな料理がいろいろ揃っています。玄関で履物を預かってくれる下足番の方の応対も含めて、長崎の良さが味わえます。
10 桃太呂 銅座本店
地図を持っていても、初めて訪れたら道に迷ってしまいそうな、古い路地が張り巡らされた思案橋周辺にあります。豚まんと餃子の専門店であるこのお店は、テイクアウトオンリー。その日作ったものだけを販売している小振りの豚まんには、豚とタマネギの甘みがぎゅっと詰まっています。散策のおやつにも、また飲んだ後の夜食にもぴったり。
11 安楽子
港がある街に訪れたならば、地元の人でにぎわう居酒屋に必ず足を運びます。新鮮で滋味溢れる魚料理に舌鼓を打つことができるのです。黒板に書かれたオススメから、“イワシの塩焼き”を頼んだところ、脳裏に焼き付くほどのうまさ! 日本酒が進みました。刺身も絶品。値段もお手頃で、家の近くにあったらいいなと強く願うのです。
12 Somme Pati
浜市アーケードにある文明堂の横の路地を入ってすぐ、細い階段を登ると、ワインとスイーツが楽しめるこのバーに行き着けます。時計の針が12時を過ぎたなかいただいた“リンゴとキャラメルアイスのミルフィーユ”は、甘い夜を彩ってくれました。季節ごとに様々なスイーツが食べられるとのことで、次回は何があるのか楽しみ。
13 シシリア
緑豊かなテラスを抜けてドアを開くと、店内はステンドグラス革細工などで装飾された温かい雰囲気が広がっています。“マリンライス”と呼ばれるドリアが有名な洋食屋さんです。ご飯にトマトソースとチーズを乗せてオーブンで焼いたその料理は、素朴ながらもヤミツキになる味わい。ランチに付くクリームスープも最高!
14 Famiglia
自家製の食材をふんだんに使うイタリア料理屋さん。訪れたのは23時半頃。1時ラストオーダー、2時まで営業をしているのは、遅い時間に働く人々にとってありがたい存在。“カルボナーラ”はベーコンの風味がとても芳醇。アナゴのフリットもカリ、ふわっ、ホクホクの3拍子。次回は、売り切れだったニョッキを食べたい。
15 珈琲 冨士男
古き良き昭和の時代の面影、人情、味を今でも残す喫茶店。友人から長崎に行くならば是非と言われていた“エッグサンド”を注文。ボリュームのある卵焼き。味付けは、辛子マヨネーズ。出会って以来、朝起きて「お腹減ったな」と思うと、かなりの確率でこのサンドイッチを食べたいなと思わせてくれる一品なのです。嗚呼!
16 七輪亭
諏訪神社の近くにある焼肉店。七輪を使って焼きます。予約客でいつも満席、人気の高い塩ホルモンは予約の際に伝えておかないと売り切れることがあるのでご注意を。お店を切り盛りするご夫婦の接客も優しくて和みます。ときどきメニューに加わるカレーライスは奥様の特製なので、幸運を逃さぬよう、ぜひ注文してください。
17 千寿庵 長崎屋
江戸時代より砂糖の流通が盛んであった長崎は、菓子の文化が発達しました。この和菓子屋では、有平糖(あるへいとう)と呼ばれる飴菓子が代々受け継がれています。繊細で華やかで、めでたいモチーフの小さな細工菓子は、口に入れるのがもったいなく思うほど。茶席で使われることが多いようですが、お土産にもぴったりです。
18 小川凧店
長崎の凧は「ハタ」と呼ばれる喧嘩凧。凧糸は硝子の粉で強化されていて、その糸を相手の凧糸にからませて切り合います。形は菱形で、赤と青と白のトリコロールを基本にした、驚くほどモダンなデザインが多いのも特徴。風頭山の頂き近くにあって、長崎ハタの伝統を守り続ける職人さんの店。事前予約でハタづくり体験も可能。
長崎に来ると必ず、まず最初に『岩永梅寿軒』へ行ってカステラを買う。今回もそうした。同行者の会計が終わるのを待ちながら、店の外のショーウィンドウをぼんやり眺めていたら、おくんちの呈上札と花御礼が飾られていた。長崎くんちは諏 […]
長崎に来ると必ず、まず最初に『岩永梅寿軒』へ行ってカステラを買う。今回もそうした。同行者の会計が終わるのを待ちながら、店の外のショーウィンドウをぼんやり眺めていたら、おくんちの呈上札と花御礼が飾られていた。長崎くんちは諏訪神社の秋の大祭で、毎年10月7日から9日までの三日間開催される。長崎の59町は7つの組にわかれているので、ひとつの町が諏訪神社に踊りを奉納するのは7年に1回だ。奉納後に商店などで踊りを演じるのを庭先回りと言って、呈上札は庭先回りをする場所に届けられるもの。呈上を受けるほうは「花」と呼ばれる御祝儀を後で届ける。その御祝儀のお礼が花御礼。
長崎市民でもないのに、ひととおり解説ができるようになったのは数年前の晩秋だ。おくんちが終わったばかりで、あちこちのお店に呈上札や花御礼が誇らし気に飾られているのに気づき、その意味を教えてもらった。各町の演し物も調べてみて、万屋町の「鯨の潮吹き」という曳物に驚いた。すぐに、次に万屋町が諏訪神社に踊りを奉納するのはいつなのかも書き留めた。ぼくが「鯨の潮吹き」に執着するのは、それを模した張子の置物がイームズハウスに飾られているのを見たことがあるからだ。イームズは長崎くんちを知っていただろうか。
去年、ぼくは鯨を観ることができなかった。次は2020年だ…。
ある時期ちょっとした美術教育を受けていたことがあって、そこの背の低い教授が、フランスの都市ナントから帰ってきた時、「港町にはね、造船所が必ずあって。だからですね、技術者がたくさん生まれて、それこそ今で言えばギークたちがた […]
ある時期ちょっとした美術教育を受けていたことがあって、そこの背の低い教授が、フランスの都市ナントから帰ってきた時、「港町にはね、造船所が必ずあって。だからですね、技術者がたくさん生まれて、それこそ今で言えばギークたちがたくさんいるんですよ」と話したのを覚えていて、港町を訪れる際にはその面影がないかを探る。
諏訪神社を訪れて、長崎公園を抜け、散歩をしていると数々の銅像が立っていた。名前を見るだけでは、あまりその人物たちに馴染みはないのだけれども、ひょろっとして、おちょぼ口の顔をした男が「本木昌造」という日本の活版印刷を押し進めた大家であるということを、携帯電話で検索して知る。ポルトガル語の通訳を務める家系で育ち、自らはオランダ語を学び、製鉄、造船、橋梁技術の開発や技術者養成の教育者として活躍しつつ、活版印刷の技術開発に取り組んだ。
この『THINK LOCAL』は、もはや活版技術を用いた印刷物ではないけれども、本木昌造が築き上げた礎を基にされた技術が使われているはずで、そう考えると、彼の銅像に一礼をしたくなるのである。活版技術以外にも、例えば写真も長崎で発展したという。その時代も、彼らはこの美しい風景を眺めながらドキドキワクワクしていたんだな、と妄想すると、長崎を歩くぼくの足取りも軽く陽気になっていった。
※記載の内容は2014年3月の発行時点での情報です。 ※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。
※記載の内容は2014年3月の発行時点での情報です。 ※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。