1 あたみ温泉
大分駅から歩いてすぐのところにある温泉。源泉掛け流し、加水なしのれっきとした“温泉”。とはいっても、気軽に入ることができる銭湯です。丸い円柱がある入り口、板の間の脱衣場、浴場のタイル絵、どれをとっても古き良きデザイン。お昼間に伺ったら、館内はきれいな光が差していて、身も心もほぐれました。
1 あたみ温泉
大分駅から歩いてすぐのところにある温泉。源泉掛け流し、加水なしのれっきとした“温泉”。とはいっても、気軽に入ることができる銭湯です。丸い円柱がある入り口、板の間の脱衣場、浴場のタイル絵、どれをとっても古き良きデザイン。お昼間に伺ったら、館内はきれいな光が差していて、身も心もほぐれました。
2 カフェ・ド・BGM
朝7時からやっていると聞き、伺いました。旅に出ているとき、ホテルで朝食をとるのもいいですが、地元のカフェやレストランで朝食をいただくのも格別です。開店一番乗りで、モーニングセットをいただきました。西洋風な店内でその日のことを考えながら、あるいは新聞を片手にゆっくりと過ごすのは贅沢な時間です。
3 ふない焼き
駅前の商店街を歩いていると、放課後とおぼしき若者たちが列をなしている店がありました。看板には「表見は回転焼き、中身はたこ焼き」とあります。いただくと、外はフワ、中身はトロリの出汁が効いた駄菓子。ソースとマヨネーズの味もたまらない! こういうソウルフードの味はなかなか忘れられるものではありません。
4 the bridge
ギャラリー併設のカフェ。醤油を作っている会社の倉庫をリノベーションしたそうで、天井の高い開放的な空間が気持ちいい。これからは気候もどんどんよくなってくるから、入り口のウッドデッキで、仲間たちと他愛もない話をしながら珈琲を飲んだらいいだろうなと想像してニンマリしました。デートにももってこいです。
5 カレーの大島屋
大分市内は、昔ながらの小さなお店がところ狭しと並ぶ小路がたくさんあります。このお店も“奥の細道”と名付けられた風情豊かな路地に。昼間のメニューは、スパイスと肉の旨味がたっぷりの“黒毛和牛カレー”のみ。つけあわせで出てくる自家製のピクルスも絶品で、大盛りにしたらよかったと食べている途中で思いました。
6 いわし料理 いなせ
刺し身、つみれ、かばやき、ぬた、フライ、南蛮漬けなど、いわしを使った料理を食べられるお店です。中でも、天然塩と酢でしめ、かぼす醤油でいただく「しめいわし」が絶品でした。昔から愛され続けてきたいわしをこんなにもバラエティ豊かな調理法で存分にいただくことができて大満足。お酒も進みます。
7 カモシカ書店
古本をメインに新刊も取り扱う書店。ゆったりと陳列された本を見回すと、ヴィジュアル本よりも“読む”本が若干多い印象でした。県内外から取り寄せられた珈琲が飲めるカフェも併設されているので、今自分が何を求めているのかを店で発見して、お茶を片手にじっくりと読むという贅沢な時間が保証された特別な場所なのです。
8 ばんぢろ
細い路地を進んでつきあたり、民家の1階にある、珈琲やケーキ、軽食をいただくことができる喫茶店です。ドアをあけるとボブ・ディランが流れていて、うっとりしました。民家を改造した店内には興味深い本や雑誌もたくさんあり、裏庭を眺めながら、午後のひとときを楽しむことができました。
9 大納言
ジャズが流れる大分市の府内5番街商店街。洋服屋さんやレストランが並ぶ中、そこで働く人たちのお腹を満たしてきた定食屋さんです。元々はお好み焼き屋さんだったこの店は、他にもとり天、だんご汁などのメニューがあり、どれも定評があります。ランチから通し営業をしているのも、特筆すべきポイントです。
10 イタリア食堂タンバリン
自分の住む街にあってほしいものの一つは、自分の肌にぴったりとあった気軽に通える食堂。舌を喜ばすものを作るシェフ、気持ちの良いサービスをしてくれる給仕さんが出迎えてくれるこの店はまさにそれ。大分でとれた食材をできるだけ使っているようで滋味に富んでいました。前菜でいただいたフリッタータ、また食べたい!
11 ブーランジェリー レ デリス デ ヨシカワ
風合いのある木製のドアに「OPEN」そして「焼きました」という看板が目印のパン屋さん。どれも興味があったのですが、クランベリーの入ったハードパンとオレオオランジュのベーグルをいただきました。どちらも味わい深いものでした。毎日違うパンが出されるとのことで、再訪が待ち遠しいのです。
12 田崎洋酒店
ご飯を食べた後どこに行こうかと地元の友人に尋ねると、この店に是非とのこと。店に入ると数々の洋酒、ビール(珍しいクラフトビールなども!)、日本酒や焼酎が並んでいます。店内には店主を囲んで、ワインの試飲ができるコーナーがあります。地元の方々も加わっての語らいは忘れられない旅の思い出です。
13 こつこつ庵
大分の郷土料理をいただくことができるお店です。伺った日は、平日だったのにも関わらず、たくさんの地元の方々でにぎわっていました。手づくりの麺(だんご)が入った味噌仕立てのだんご汁、新鮮な関サバ関アジのお刺身、ジューシーな鶏天、どれもがウマイ! 九州の焼酎もたくさんそろっているのも嬉しい。
14 屋根裏
様々な飲食店がひしめきあうビルの中庭から細い階段を登るとこのバーにたどり着くことができます。マスターが打つ自家製のパスタが美味しいと聞きオーダー。もっちりとした食感がたまりません。飲み歩いた後、ラーメンではなくてここでパスタ、という使い方もいいかも。もちろんしっぽり飲むのも!
15 BAR La Citta
西欧の隠れ部屋のような秘密の個室があるなど、独特の雰囲気があるバー。マスターは、スポーツ試合のMCやナレーターもしており、トークが弾んでとてもおもしろい! 夜訪れる場所なのだけど、ソフトドリンクもOK。果物のスムージーをいただき、少し酔ったカラダを癒してくれました。
16 Art Plaza
大分市出身の建築家、磯崎新が1966年に「大分県立大分図書館」として建設し、1998年からは、1階2階は市民ギャラリーに、3階は磯崎新が世界中で手がけた建築物の資料や模型を展示する施設になりました。3階の展示は素晴らしい!の一言。建築物を通して、世界を旅するような気持ちにさせてくれます。
17 平和
知らない街に出かけたら、まず探すのがおでん屋さん。その土地を存分に感じることができるからです。かつお、いりこ、昆布でとった出汁は、2代目であるお母さんの人柄をあらわすような優しい口当たりでした。手作りの大きなコロッケも美味しかった! ラーメンなど他にも気になるメニューがあったので必ず再訪したいお店です。
18 王子温泉
春日神社から歩いて数分、お店などがあまりない住宅街にぽつんと現れる温泉銭湯です。脱衣所の古い木製のロッカーに魅了され浴室へ。開店まもなくして行ったのですが、深浅の浴槽にはすでに地元の方とおぼしき先客がいました。黒めのお湯の泉質は肌をツルツルスベスベにしてくれました。
19 カモメのジョナサン
大分港、かんたん港園にあるカフェレストランです。穏やかな波打、時間があえば神戸への大型フェリー“さんふらわあ”を眺めながらご飯やお茶をいただくことができます。周辺も素敵な港情緒があふれていて、気分がいい。ランチは、ボリュームもあって満足できるひとときでした。
先日、博多駅だったか福岡空港だったかで、大分県立美術館開館記念展のポスターを見かけた。一瞬だったのにもかかわらず目にとまった理由は、ポスターに宇治山哲平(1910~1986)の作品が印刷されていたからだ。 宇治山哲平とい […]
先日、博多駅だったか福岡空港だったかで、大分県立美術館開館記念展のポスターを見かけた。一瞬だったのにもかかわらず目にとまった理由は、ポスターに宇治山哲平(1910~1986)の作品が印刷されていたからだ。
宇治山哲平という抽象画家のことを知ったのは、彼の出身地である大分県日田市を訪ねた時だった。3年前だろうか。個人蔵の作品を観られる珍しい機会だからと、日田在住の友人に誘われ、しぶしぶついていった。あまり気がすすまなかったのは、「地元の画家」と聞いて、故郷の山河などを描いた感傷的な風景画なのかなと安易に想像してしまったためだ。まるで違っていた。円や三角や四角で構成された純粋抽象画。近づいて細部を観ると、画肌はざらっとしていて砂壁のようなテクスチャーだった。会場には過去に開催された作品展の図録も置かれていた。そこからはさらに魅力的な作品がいくつも存在することがうかがえた。宇治山作品の多くは大分県が所蔵しているらしい。 実際に絵の前に立った時に感じる大きな驚きは、画集では再現できない種類のものなのだということも同時に解った。
そんな訳だから、このポスターは、ぼくにとっては未踏である大分市への招待状のようなものなのである。ああ、早く観にいきたい。
大分県立美術館 大分市寿町2-1 097-533-4500
この「THINK LOCAL」というシリーズは、全国の都市を訪れて、数々のスポットを取材し記録し、冊子にして共有するという目的のもと行われている。3年間続いたこの営みも大分市で18都市目。 歌曲などでも繰り返して問わ […]
この「THINK LOCAL」というシリーズは、全国の都市を訪れて、数々のスポットを取材し記録し、冊子にして共有するという目的のもと行われている。3年間続いたこの営みも大分市で18都市目。
歌曲などでも繰り返して問われる「旅をする理由」であるが、さまざまな街に訪れる度にあれやこれやと考える。毎回必ず目指すは、おでん屋だったり、喫茶店だったりするのだけど、仕事のミッションとは別にぼくが旅をするのは、店を形作る人とそこに集まる人に会いに行っているのではないかとふと思った。今回も、いろんな人と話をした。テキーラをおごってくれた地元の名士とは都合6時間ほど世間のあれやこれやを語った。小料理屋のお母さんからは“母が戦争はもういやだ、という思いで名づけた”というエピソードを聞いた。その他、ブラジルで働いたことのある家族や、結婚相手を真摯に探している青年、大分のことをもっと広めていきたいと願う若きデザイナーなどなど。どの人も、ここではないどこかでしか会えない。語られるストーリーは、おそらく気ままな旅人に許されるどこか不思議な内容である。
見た目がグッとくるその暖簾の奥に、さてどんな美味しいものが待っているのかを楽しみにすると同時に、はてどんな人たちと出会い会話をすることができるのかをぼくは待ちわびているのである。
※記載の内容は2015年3月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。
※記載の内容は2015年3月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。