1 BOOK MARÜTE
瀬戸内の海と空を臨む、倉庫街の一角にある本屋さんです。新刊を中心とした写真集やアートブック、ZINEをセレクトし、気持ちいいカフェコーナーやギャラリーも併設。写真家・中川正子など瀬戸内にゆかりのある作家本の企画出版を手がけ、台湾の台中市に2号店もオープン。常に魅力的な発信を続けています。
1 BOOK MARÜTE
瀬戸内の海と空を臨む、倉庫街の一角にある本屋さんです。新刊を中心とした写真集やアートブック、ZINEをセレクトし、気持ちいいカフェコーナーやギャラリーも併設。写真家・中川正子など瀬戸内にゆかりのある作家本の企画出版を手がけ、台湾の台中市に2号店もオープン。常に魅力的な発信を続けています。
2 くつわ堂総本店
片原町の商店街で開店140余年、名物の瓦せんべいでおなじみの老舗菓子店。昭和レトロの趣を残す2階の喫茶室では、ゆったりとしたソファ席でお茶と食事が楽しめます。朝から13時までいただけるボリュームたっぷりのブランチセットのほか、香川の名産・白下糖を使った上品な甘さのカステラ、フルーツサンドもぜひ。
3 名物かまど 高松店
高松みやげの定番といえば、かわいいルックスの和菓子「かまど」。製塩で有名な讃岐で受け継がれてきた、塩炊きのかまどの形からきているそうで、白色の手亡豆(てぼまめ)を使った餡と卵生地の素朴な味わいが魅力。2階には座敷椅子が並ぶ和風喫茶があり、落ち着いた空間で自慢の甘味やケーキがいただけます。
4 高松市歴史資料館
高松の歴史を知るならまずここへ。原始から現代までの歴史を時代ごとに紹介していて、重要文化財の田村神社の古神宝類や、大名が参勤交代に使ったという高松藩御座船「飛龍丸」のレプリカも見応えあり。年4回の企画展示では郷土の歴史や文化をユニークな切り口で展示し、行くたびに高松の新しい魅力を教えてくれます。
5 半空
高松出身の店主・岡田陽介さん開いたブックカフェ&バー。カウンターには心地良い音量でジャズやロックが流れ、自身が「子供の頃から買い始めた」という小説や人文書がたくさん。自慢のネルドリップコーヒー、チャンドラーほか小説に由来したオリジナルカクテルも美味。深夜まで世代やジャンルを超えて人が集います。
6 汁の店おふくろ
しみじみと味わい深い味噌汁を求めて、地元や遠方からも人が集まる高松の有名店。汁メニューは定番のぶた汁、あさり汁、鯛あら汁、季節のかき汁など豊富に揃い、カウンターやショーケースに並ぶ地元食材を使った手作りのお惣菜、旬の魚メニューも絶品。つまみながら飲むもよし、飲み後のシメにも最高の一軒なのです。
7 香川県庁舎東館
「アートの県」香川のルーツといえるのが、戦後に建築家・丹下健三が手掛けたこちらの施設。日本建築とコンクリートの近代建物が融合した外観が印象的で、玄関ホールの壁画は香川出身の画家・猪熊弦一郎によるもの。平成31年まで耐震改修工事中のため、見学できる場所はHP(kagawa-taishin.com)でチェックを。
8 さか枝
県庁裏の住宅街にあるうどんの人気店。早朝の開店から“朝うどん”を求めて、仕事前の地元客や観光客で賑わいます。定番の「かけ」は自分で麺を温めてからダシをかけ、50種を超えるトッピングから好みのものを選ぶ典型的なセルフスタイル。味わい深いいりこベースのダシ、太めの弾力ある麺とともに、幾通りものおいしさが楽しめます。
9 洋食おなじみ
琴電・瓦町駅そばにある、特にランチタイムは行列必至の老舗洋食屋さんです。店内中央に厨房があり、それをぐるりと囲むU字カウンターがいい雰囲気。2代目シェフが調理する姿を眺めるライブ感も楽しい。お得なタイムランチ、長年愛されるハンバーグやポークチャップ、人気のオムライス(火・金曜限定)まで、どれも絶妙なおいしさです。
10 三びきの子ぶた
高松っ子の行きつけカフェといえば、フルーツ直売店「丸新果物商店」が営む通称「さんぶた」。旬の新鮮な果物をふんだんに使った自家製のケーキやパフェ、フレッシュジュースのほか、具材が選べるホットサンドやパスタといった軽食もあり、ランチからカフェまで幅広い世代で賑わいます。向かいには系列のジェラート店もありますよ。
11 手打十段 うどんバカ一代
「バカイチ」の愛称で知られ、バターや卵をからめて食べるカルボナーラのような「釜バターうどん」が人気のセルフうどんのお店。定番から変わり種まで豊富なメニューのなかから、この日選んだのは「温玉肉うどん」。極太の麺は舌触りや喉ごし、噛んだときの食感も最高。早朝から18時までの営業と、遅めの時間でも食べられるのがうれしい。
12 マーちゃん
昭和27年に“マサエおばあちゃん”が創業し、今は3代目が味を受け継ぐ中華そば店。店内の大テーブルにはおでん鍋が設えられ、地元の人々が相席で賑わうアットホームな雰囲気。中華そばは鶏がらベースの昔懐かしい味で、あっさりながらコク深いおいしさ。柔らかい豆腐にじゅわっとダシが染みた名物・焼き豆腐も絶品ですよ。
13 Benの台所
大通り裏手にある下町食堂。昭和のムード残す建物は、駄菓子屋だった民家を改装したものだそうで、奥に座敷席もあるほっこりした空間。店主のBENさんが作る日替わりプレートは、旬の野菜を使った種類豊富なタパス(惣菜)がたっぷり添えられていて、心身満たされる味わい。夜はアラカルトもあり、気軽なバルとして賑わいます。
14 松下製麺所
シンプルな讃岐うどんのおいしさを堪能するなら、昭和41年から愛されるこちらへ。製麺所ならではの飾らないセルフスタイルが魅力で、麺を渡された後は温めてもよし、ねぎと天かすだけで食べたり、トッピングするもよし。カツオだしのきいた関西風の薄味のダシに、ツルツルのうどんが相性抜群。時間帯を問わず人の足が絶えません。
15 男木島
高松港からフェリーで約40分。自然豊かな島内にはアート作品が多く点在し、船を降りると瀬戸内国際芸術祭で制作されたジャウメ・プレンサの真っ白な建物が迎えてくれます。坂道が多く、島猫たちがのんびり寛ぐ石畳の路地や遊歩道を散策したり、伝説ゆかりの地として伝わる「豊玉姫神社」の高台から見下ろす眺めも絶景です。
16 女木島
高松市から最も近く、その昔鬼が住んでいたという伝説から、別名「鬼ヶ島」と呼ばれる小さな島。中央部には桃太郎伝説の鬼のすみかとされる「鬼ヶ島大洞窟」があり、その近くには桜の名所としても知られる「鷲ヶ峰展望台」があります。防波堤に並ぶ約300羽のカモメのオブジェなど、自然と融合するアート作品も見どころ。
17 瀬戸内海歴史民俗資料館
瀬戸内海を望む五色台にあり、大自然に調和する石積みのモダンな建物が目を惹きます。大小の展示室が中庭を囲むユニークな設計で、国の重要有形民俗文化財である木造船、漁で使う漁撈用具、船大工用具など珍しい展示が多数。瀬戸内海をよりどころに暮らした先人の軌跡を鑑賞した後は、展望台の見事な眺望も楽しみです。
18 ジョージ ナカシマ記念館
20世紀を代表する日系アメリカ人家具デザイナー、ジョージ・ナカシマに認められ、彼の家具製作ライセンスを持つ「桜製作所」の敷地内にある記念館です。高松を愛し、度々訪れていたというナカシマの貴重なオリジナルやサンプルなど約60作品を展示。自然と木を愛した彼の“ものづくりの哲学”を感じることができます。
19 ブックカフェ ソロー
木々に囲まれた神社の隣にあり、天井まで本がつまった完全DIYの空間。本と写真と旅が好きという写真家で店主の宮脇慎太郎さんが「旅を続けているような場所を」と自宅倉庫を改装して作ったそうで、写真集やサブカルをはじめネットでは見つからない“熱量”溢れる古本が多数。地元客から旅人まで様々な人が集います。
20 仏生山温泉
江戸時代の商家や町家が残る門前町・仏生山エリアに静かに佇む、シンプルモダンな建物が印象的な銭湯。中庭を囲む内風呂と露天風呂があり、「美人の湯」と呼ばれるかけ流し重曹泉のつるつるした浴感が最高。長い廊下沿いには休憩所や食堂、本が買える「50m書店」もあり、湯上りも思い思いの寛ぎタイムが過ごせます。
岡山からマリンライナーに乗って瀬戸大橋を渡る。香川県側の最初の駅は坂出だ。ぼくはいつもここでちょっと迷う。このまま高松市へ行くか、下車して丸亀市へ行くか。どちらを選んだとしても観たいのは画家・猪熊弦一郎の作品なのである。 […]
岡山からマリンライナーに乗って瀬戸大橋を渡る。香川県側の最初の駅は坂出だ。ぼくはいつもここでちょっと迷う。このまま高松市へ行くか、下車して丸亀市へ行くか。どちらを選んだとしても観たいのは画家・猪熊弦一郎の作品なのである。
丸亀市には猪熊の名前を冠した現代美術館があり、たくさんの絵画を鑑賞することが可能だ。そして高松市には彼のパブリックアートの傑作がある。香川県庁舎の東館エントランスホールにある陶画「和敬清寂」と、高松城跡に隣接する香川県県民ホール本館エントランスの吹き抜けを埋め尽くす巨大壁画「21世紀に贈るメッセージ」。
県民ホール内の催しはもちろん有料だが、エントランスは出入り自由。「21世紀に贈るメッセージ」は、晩年の猪熊作品によく見られる、顔やバレリーナや抽象的なモチーフがコラージュのように組み合わされている。
猪熊弦一郎が香川だけに限らず多くのパブリックアートを手がけたのは、絵画は個人が独占するものではなくたくさんの人を喜ばせるべきものという、彼自身の信念があったからだそうだ。ぼくも高松に着いたら、まず猪熊作品を眺めに行く。そして心から喜ぶ。いや、嘘はいけないな。まずはうどんを1杯食べてから、次に猪熊作品だった。
レクザムホール(香川県民ホール) 香川県高松市玉藻町9-10 ☎087-823-3131(地図A)
知らない土地に行くとなると、真っ先に探すのは本屋だ。最近では大型書店でも地元目線のコーナーが充実しているし、小さな個人経営の本屋なら、さらに見たことのない地元産冊子に出会うこともある。 高松には、去年くらいから急に本屋が […]
知らない土地に行くとなると、真っ先に探すのは本屋だ。最近では大型書店でも地元目線のコーナーが充実しているし、小さな個人経営の本屋なら、さらに見たことのない地元産冊子に出会うこともある。
高松には、去年くらいから急に本屋が増えたそうだ。上の分類でいうと、後者の方。“本が売れない”のは周知のことなのに、それでも本屋とは嬉しい響きでもある。今回出会ったのは新しい本屋ばかりではないけれど、「BOOK MARUTE」は店主の瀬戸内目線が効いたアートブックや写真集から、2号店をオープンした台湾とのつながりが見えるセレクト。制作協力したという台湾のイラストレーターによる瀬戸内の旅行記も面白かった。「半空」は幼少期に古本屋の安売りコーナーの“あ行”から徹底的に文学を読み漁ったという主人の珈琲と本と音楽の店。『テリー・レノックスの愛したギムレット』のような、本好きには堪らないカクテルがいくつも用意されている。「ブックカフェ ソロー」は、旅ものや民俗誌からオカルトまで、濃厚な古書の山がそびえる珍名所的なニューフェイス。どの店にも個性みなぎるラインナップの中に、高松の街へと通じる回路がいくつも用意されていた。<本なんて、一生かけても読めないほどあるんだから他の本屋とかぶることはない>とは、ソローの宮脇さん。高松には、まだまだたくさんの入り口がある。
※記載の内容は2017年11月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。
※記載の内容は2017年11月の発行時点での情報です。
※予告なく移転や営業時間等の変更があり得ることをご了承ください。